お墓を建てる時期:お墓を建てるのに良い日、悪い日はあるか?

お墓を建てるのに良い日、相応しい日というのはあるのでしょうか?

あるいは反対に、この日にはお墓を建ててはいけない、といった日もあるのでしょうか?

というのが今回のテーマです。

で、結論から申し上げますと、特にそのような日はありません。

お墓はいつ建てていただいても問題ありません。

しかしそのように言い切っただけでは、あまりに不親切というもの。

べつにお墓をいつどのように建てなさい、という風に定めた法律などはありませんが、世の中には風習だとか慣習だとか、一般論といったものがあります。

そういったものを多少なりとご説明するのも、専門業者の務めではないかと思うわけです。

ところで風習とか慣習となると、対象となる地域がどこか、あるいはお客様の宗旨宗派はどこか、といったことにも左右されるわけで、たとえばキリスト教の方向けの「普通」を、神道のお客様に向けて語ってみてもあまり意味はないことでしょう。

そういったことを考慮していくと、想定すべきケースは無限に細かくなり、大雑把な解説のつもりがいくらでも具体的な個別論になってしまいかねません。

そこで、この場で解説できるのは本当に概説的な一般論でしかないのですが、それでもお墓というものにあまり馴染みのないお客様にはいくらかお役に立てるかと思い、少しご説明しようかという次第であります。

お墓はいつ建ててもいい、と申し上げたばかりで恐縮なのですが、やはりお墓を建てようかと検討なさる方は、「節目」というものを意識されるものだと思います。

慣習的なことを言えば、百箇日とか一周忌、三回忌といったところになります。

普通、お墓を準備するには二か月程度のお時間は見込んでいただきたいので、亡くなられてから満中陰(四十九日)までにお墓を建てるというのは、急ぎすぎ、という印象にはなってきますかね。

それから、故人のご命日とは関係のない節目となると、春秋のお彼岸、亡くなられてからの初盆なども一つの目途になるかと考えられます。

個人的な経験から言いますと、一周忌頃を目安としてお墓を検討なさる方が最も多いような印象を持っております。

あとは、以前は初盆というのもかなり重要な節目として理解されていたように思うのですが、なにしろ昨今は夏場の猛暑がものすごいので、お盆のお墓仕事というのが少しずつ別の時期にシフトしているのかな、という気もします。

春秋のお彼岸、それに離れて暮らしているご家族親戚が揃ってお墓の法要に立ち会いやすいという意味で、最近はゴールデンウィークなどの連休に開眼できるように、というご予定を立てられる方も多いです。

いずれにせよ、ご家族や関係される方々で話し合って、納得のいく日程で進められるのが一番なのは間違いありません。

それから、大安や仏滅などですが、暦の上での六曜というのが、縁起を占うために流行りだしたのは江戸時代になってからだそうですね。

今でも結婚式では仏滅を避けたり、お葬式は友引の日を外したり、といったことは根強いのではないかと思われます。

と言っても、最近では結婚式の仏滅割引といったことも聞きますし、こういったあたりでも合理化が進んでいるのかもしれません。

大安や仏滅を気にするというのも、一つの文化と言えないこともないので、まったく顧みられなくなれば寂しいことだな、と感じたりもしますが、過度に気にする必要はないということなのでしょう。

お墓の場合も、お客様から特別のご指示を賜らない限り、仏滅を避けて工事をするというようなことはありません。

ちなみに「お墓を建てるのに」ということで、開眼法要の日取りの話と、実際の施工の日程の話とを一緒にして進めてまいりましたが、基本的に重要なのは開眼法要だとお考え下さい。

開眼法要というのは、眼を開くというその名の通り、出来上がった石塔の前で法要を行ない、魂を入れる儀式のことです。

開眼法要を〇月〇日に行なう、ということがお客様から伝えられれば、その日に間に合うように業者は施工に取り掛かります。

そして開眼法要の日とされるのは、一周忌やお彼岸のどこかになるようなケースが多い、ということですね。

もっとも、繰り返しになりますが、この日でなければいけない、という日があるわけではありません。

お墓というのは、故人を思う気持ちで建てるものですので、ご家族ご親戚をはじめ、亡くなった人を追悼しようという方々のご相談によって、この時期にお墓を建てようと決めていただくのが一番です。

供養に最も大切なのはお気持ちですし、我々もその気持ちに沿って仕事をしたいといつも考えております。